2014年9月10日水曜日

iPhoneアプリの販売形態が変わる!? これはマーケットが変わるかもしれない重大ニュースです。

とんでもないニュースが入ってきました。

えっ? iPhone6/iPhone6 Plusが発表されたって? もうとっくに、その話題とハードウェアスペックで巷は話題だよって?

いいえ。違います。

そんなことよりも、もっと重大なニュースなんです。
iPhone6/iPhone6 Plusって、それは目新しいけれども、ぶっちゃけ既存のiPhone4/4s/5/5s/5cやiPod Touch、iPadをお持ちの方には、直接の関係はないじゃないですか?
今回のニュースは、iOS端末ユーザー全員に関わるお話しです。なんと、アプリの販売形態が変わるというニュースです。Appleの公式発表ですから、ガセネタじゃありませんよ。

https://developer.apple.com/app-store/app-bundles/

正確には、新たなアプリの販売形態が追加されます。それは「バンドル販売」。
より馴染みのある日本語で、セット販売とか、抱き合わせ販売と呼ぶ方がわかりやすいかもしれません。気になる特徴を列記してみましょう。
  1. アプリバンドルは、最大10個のアプリまでを1セットにできる。
  2. バンドルされたアプリは個別売りすることも可能。
  3. バンドルされたアプリは、個々の購入価格よりも割引販売されなければならない。
  4. 個々のアプリは、最大3つのセットまでは重複してもよい。
  5. 既にバンドル内に含まれているアプリを購入しているユーザーは、バンドル内の他のアプリをバンドル価格で購入することができる。
今のAPPストアでは、一つのアプリに対して同時に複数の価格を設定することはできません。また、特定のユーザーにのみに特別価格で販売(あるいは無償提供)することもできません(過去、リワードが黙認されていましたが、現在は禁止事項になっています。また、Apple Storeアプリは例外です)。

基本的に、すべての購入者に対して同じ価格で販売しなければならなかったのです。期間限定セールというプロモーション施策は可能ですが、「恒常的に割引価格を提示」できる方法は今までありませんでした。

このルールが、変わります。
APPストアの登録アプリ数は130万本を越えていますが、その状態にこの新しい価格体系が組み込まれるとどうなるか?


バンドルされたアプリは、単体で購入するよりも「必ず安くしなければならない」(上記の3番目)のです。既にアプリは130万本超に溢れ、マーケットに対して供給過多状態です。ここに値下げ施策を投入すると、デフレ状態(アプリの供給量は多く、価値は下落傾向、デベロッパの収益は上がりにくくなる)に陥る危険性があると考えられます。

このような経済状態の場合、大抵は「持つものは更に富み、持たざるものは更に貧困する」という力が働きやすいものです。デベロッパとしては、より多くの売上を得るために、あるいはプロモーションとして、バンドル販売を進めてくることは容易に想像できます。おそらく、大手、あるいはリリース本数の多いデベロッパは積極的にこのバンドル販売を利用するでしょう。バンドルを利用すると、競合する他デベロッパのアプリよりも、値段を下げることができますから、今までAPPストアにはなかった、価格競争(みたいなもの)が可能になります。逆に、バンドルできるほどのリリース本数を持たない、あるいはブランドを確立できないデベロッパは、苦境に立たされるかもしれません。

既に販売しているアプリをバンドルに設定した時点で、すなわち値下げ(上記の5番目)、だものなぁ。強烈ですわ。

今後のAPPストアというマーケットに対する予測をしていますが、おそらくデベロッパが執るべき手段は2つほどになるでしょうか。ユーザー側としても、変化がありそうです。
まだ不確定要素が多いので思案中ですが、ご興味のある方は一緒に勉強会でもしませんか。