2014年5月5日月曜日

機材はOK。構図もバッチリ。で、ピントは? 風景写真でもポートレートでも、写真上達のウデを磨くアプリ。

Lens•Lab
  • OS:iOS5.0以降
  • 掲載時の価格:300円
  • こんな方にお勧め:
    • 一眼カメラで綺麗な写真を撮りたい方。
    • 一眼カメラのレンズ選びの参考にしたい方。
    • 撮影テクニックをワンランクアップしたい方。
  • チェックポイント:MACユーザーの方はMac App StoreでもMAC版Lens•Lab販売されています。しかもMAC版は無料ですよ。
上手な写真を撮るコツは「光・ピント・構図」の3要素でしょう。人によって少々見解は異なるかもしれませんが。でもこの3要素を念頭に置いて撮影すると写真のウデが上がるのは間違いありません。3番目の構図要素のうち、ポージング(ポートレートや自撮り)については、以前にレビューをしたアプリ↓を参考にしていただけるでしょう。
    今回ご紹介のLens•Labは、ピントに関する様々なデータをひとまとめに確認する事ができる便利アプリです。

    iPhoneでの撮影やコンパクトデジカメ(通称:コンデジ)と比べて、レンズ交換式のカメラ(ミラーレス等)の大きな特徴の一つが、ボケの制御にあります。ボケの制御とは、簡単に言ってしまえば、ピントの合っている部分とピントのあっていない部分を自分でコントロール出来るという事ですね。(厳密にはボケの制御は撮影素子のサイズが大きく関係しますが、ここでは割愛します。)

    ピントの合う部分はカメラや撮影条件(レンズの焦点距離や絞り値)によって変わり、ある程度の範囲(距離)をもっています。これを被写界深度と呼びますが、一般的にiPhoneやコンデジはこの範囲が非常に広く(被写界深度が深い、と言う)、画面のどこを見てもピントが合っているように見えることが多いものです。一方、一眼カメラはレンズの種類によって被写界深度が大きく異なり、一般的には焦点距離の短いレンズほど被写界深度が深く、焦点距離の長いレンズほど浅い(ピントの合う範囲が狭い)のです。更に、同じレンズでも絞り値によって被写界深度は変わります。

    この被写界深度をコントロールすれば、前景や背景をぼかして、被写体の狙った部分だけを引き立たせることができるわけです。Lens•Labのアプリ内に収録されているガイドにわかりやすいサンプル写真があります。左右で同じ被写体ですが、背景や手前部分のボケ方がかなり違いますね。


    昔々のフィルム時代の一眼レフカメラには、カメラ自体にこの被写界深度を目視できる機能を持ったものが多かったのですが、現在では、様々な理由で一部の機種(ほとんどが高級機)に採用されているのみです。初心者やアマチュアこそ、重宝する機能だと思うのですが。
    Lens•Labは被写界深度をグラフィカルに表示してくれます。


    上図は50㎜レンズで、絞りをf5.6、被写体までの距離を3mとした場合のデータです。わたしの一眼レフカメラは撮影素子がAPS-Cサイズなので、50mmのレンズは、35mmフィルムサイズでは80mm相当の焦点距離になります。これで見ると、被写界深度は手前2.9m〜後ろ3.1m、合計74cmの範囲だということがわかります。74cmあれば、2列の集合写真であっても、手前の人も後ろの人もほぼピントが合っているように見えるでしょう。


    一方、絞りをf1.8にすると、被写界深度は24cmにまで狭まります。これだと手前の人にピントを合わせると後ろの人にピントが合わない(ボケる)事がわかります。ポートレートや静物写真であれば、前後が綺麗にボケて被写体が際立つことでしょう。
     もちろん、実際のカメラ本体やレンズによっての誤差はあるでしょうが、大まかにでも被写界深度を数字で知ることが出来るので、写真のできあがりが非常にイメージしやすくなります。

    設定画面では、レンズの焦点距離の範囲や、カメラの撮影素子サイズ、表記や表示の内容を選ぶ事ができます。


    Lens•Labをつかえば、どのレンズ(焦点距離)でどれくらいの被写界深度があるのかを知ることが出来ますので、レンズ購入の際、撮りたい被写体に合わせた選択をすることが出来ます。ぶっちゃけLens•Labをいじっていると、強いボケが欲しくなって、長くて明るいレンズの購入計画を立てることになるでしょう(笑)。

    レンズ購入費用が貯まるまで、あるいはiPhone内蔵カメラやコンデジに方は、こちら↓のアプリでレンズボケを楽しんではいかがでしょうか。
    そのうち、もう一つの要素「光」に関するアプリもご紹介しますね。